ホースクランプとは?固定用ファスナーの種類と用途別の選び方

ホースクランプの種類と用途別の選定方法|固定用ファスナーの基本から解説

工場設備のメンテナンス業務では、ホースや配管の固定に使用する部品の選定が、トラブルの防止に直結します。なかでもホースクランプは、構造や素材によって性能が大きく異なるため、適切な製品を選ぶことが現場の安定稼働に欠かせません。

こちらでは、固定用ファスナーの基本から、ホースクランプの種類や構造、現場での選定ポイントまでを整理しています。設備のメンテナンスを担当する方に向けて、実務で役立つ知識をご紹介します。

用途に応じた固定用ファスナーの選び方

用途に応じた固定用ファスナーの選び方

ファスナーとは、配管や機器に接続されたホースやパイプをしっかりと固定するもので、安全かつ効率的な運転を支えるために欠かせない部品です。現場の使用条件や求められる性能によって、適切な種類を選定することが重要です。

こちらでは、代表的なファスナーの種類と、それぞれの用途に応じた使い分けのポイントを紹介します。

締め付け方式による分類

固定用ファスナーには、ねじ式、スプリング式、ワンタッチ式など、複数の締め付け方式があります。

ねじ式(NEMO)

締め付け時のトルク(締め付ける力の強さ)を調整しやすく、汎用性が高い一方で、サイズが大きく重い。工具不要で取り付け可能な構造となっており、仮設設備や交換頻度の高い現場で重宝されます。

巻き込み式(VISA)

軽くて省スペース。工具を使うことで簡単に組み付けることが可能。特別電動/エアー工具が必要です。

ワンタッチ式(CLIC)

工具を使うことで取り付けが簡単。正確なサイズ選定が必要なことで誤組みを未然に防ぐことも出来る。高低温対応が可能なことから車載用として適合します。

使用環境に応じた素材選定

使用環境が高温・多湿・薬品曝露を含む場合、ファスナーに使用される素材も慎重に選ぶ必要があります。

ステンレス鋼は耐腐食性に優れ、屋外や水回り、薬品を扱うラインでの使用に適しています。亜鉛メッキ鋼はコストパフォーマンスが高く、乾燥した屋内環境に適しています。また、帯電や磁場の影響を避けたい場合は、非金属系のバンド材を選定することも選択肢の一つです。

メンテナンス性と再利用性

設備メンテナンスの頻度や現場での作業効率も、ファスナーを選ぶうえで重要なポイントです。再利用できる構造を選べば、長期的なコストや廃棄物の削減につながります。特に、複数の拠点で同じ仕様を採用している場合は、共通の工具や締め付け方法で作業できる体制があると、手順が統一されて作業がスムーズになります。

このように、固定用ファスナーは構造・素材・作業性といった複数の観点から選定することが重要です。使用条件を的確に把握し、必要な性能に応じた製品を選ぶことで、安全性と効率性の両立が可能になります。

ホースクランプの選び方

ホースクランプの選び方

ホースクランプ(バンドクランプ)は、配管や機械設備の接続部において、ホースやパイプを確実に固定するための必須部品であり、固定用ファスナーの一種です。以下では、ホースクランプの基本的な役割と構造を踏まえたうえで、素材や仕様による違い、そして誤った選定が引き起こすトラブルとその対策について解説します。

ホースクランプとは?

ホースクランプとは、ホースやパイプなどの筒状部品を他の構造物と接続する際に、漏れや抜けを防ぐための固定具です。主に金属製のバンドで構成されており、ねじやスプリングなどによって固定力を調整できます。

使用される現場は多岐にわたり、工場の配管ライン、空調ダクト、エンジンルームなど、圧力・振動・温度変化が発生する過酷な環境下での使用が想定されます。適切なクランプを選ぶことは、漏れ防止だけでなく、安全性やメンテナンス効率の向上にも直結します。

素材と構造による性能の違い

ホースクランプに使用される素材は、使用環境によって求められる性能が異なります。最も一般的なのはステンレス鋼で、耐食性に優れ、水分や薬品を扱う現場に適しています。一方、亜鉛メッキ鋼はコストを抑えながら基本的な固定力を確保でき、屋内や乾燥した環境での使用に向いています。

また、バンド幅や厚み、締め付け方式(ねじ式・スプリング式など)も、固定力や取り付け作業性に影響します。選定にあたっては、材質だけでなく、構造や設計仕様の違いを把握することが求められます。

選定ミスによるトラブル例と予防策

ホースクランプの選定ミスは、設備トラブルの原因となります。例えば、設備に対して過小な固定力のクランプを使用した場合、圧力変動や振動によりホースが緩み、液体や気体の漏れが発生する恐れがあります。逆に、過剰な締め付けによってホースを傷つけ、破損や早期劣化を招くケースもあります。

これらのリスクを防ぐには、ホース径や使用圧力、周囲環境(温度・湿度・腐食性など)を正確に把握し、それに適した仕様のクランプを選ぶことが重要です。設置前の適正トルク管理や、定期的な緩み点検も、トラブルの予防に効果的です。

ホースクランプの種類と構造の違い

ホースクランプは構造によって適用範囲が異なります。以下では、C&S合同会社が取り扱う代表的なクランプ製品を取り上げ、それぞれの構造的な特徴と用途に応じた使い分けのポイントを解説します。

クリック式クランプ(CLIC E)

フランス・CAILLAU製のワンタッチリザーブ機構付きクランプで-40℃~+140℃の温度変化下でも密閉性を維持します。高いクランプ力と真円度を維持し、振動や引き剥がしにも強く、高負荷用途での信頼性を確保します。手動・電動・空圧ツールで迅速に取り付けでき、電動工具にフィッティング情報を製造実行システム(MES)に伝達する機能付きモデルもあります。

VISAクランプ

フェライト系ステンレス製で、高い耐腐食性を誇り、精密なクランプ力を保証します。所定の締め付け力に達すると自動的にバンドが切り離される設計により、常に一定のクランプ力で取り付けられるため、クランプ力が均一に保証されます。30年以上にわたって自動車産業で採用されてきた実績があります。

VISA E

リザーブ付きハウジング構造により、-40℃~+140℃の温度変化下でも密閉性を維持します。省スペース、軽量化に適しています。

NEMOクランプ

クランプ力を均一に分散させる設計で、20℃〜+110℃の使用範囲に対応し、振動や塩水噴霧環境にも強い性能を持ちます。スクリューヘッド付きで工具により脱着可能です。

NEMO BEクランプ

基本NEMOに加え、温度・圧縮セットによるホース変形を補正するスプリング付きハウジングがあります。冷却や吸気用途など、温度変動の激しい環境に向いています。

最適な製品選定のために|C&S合同会社が提供するホースクランプ

ホースクランプを選ぶ際には、構造・素材・使用環境・作業性など、さまざまな視点からの判断が求められます。取り付ける機器や配管の条件、使用場所の温度や湿度、さらにはメンテナンスのしやすさまでを踏まえて、最適な製品を選ぶことが安全性と作業効率の向上につながります。

C&S合同会社では、クリック式、巻き込み式、トルク制御型など、多様な種類のホースクランプを取り扱っています。冷却ラインや吸気ラインなどの高負荷な環境にも対応できる製品をそろえ、現場のニーズに応じたご提案が可能です。

製品の仕様や用途に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。詳細なカタログ情報や選定に役立つ技術資料もご用意しています。

ホースクランプと固定用ファスナーのご相談ならC&S合同会社

会社名 C&S合同会社
電話番号 090-2527-2213
メールアドレス mseki@caillau.com
業務内容 通訳業務、自動車部品の輸入・販売
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